赤羽岩淵駅から徒歩30秒ほどの場所にある大満寺(北区岩淵町)で9月5日、一人芝居「死神」が上演された。
演じたのは、テレビ東京「ウルトラマンブレーザー」に副隊長ナグラテルアキ役や映画「雪風」に海軍将校役で出演した伊藤祐輝さん。伊藤さんは、古典落語「死神」の演目に出てくる死に神に出会った後、医者に成り切り大金を得る主人公だけでなく、登場する全ての役を一人で演じ、会場となった同寺の副住職で映像作家でもある内田寛崇さんが照明や音響で協力して、本堂に暗幕を張り巡らして舞台に整えた。
本堂の中の畳約3畳分のスペースを使い、「死神」を演じた後、初代三遊亭圓朝がグリム童話の「死神の名付け親」を参考に落語の演目にしたことや、さまざまな落語家が作ったオチを紹介した後、内田さんも登場し、2人のトークセッションが行われた。
内田さんは、「大満寺の仏様は薬師如来。薬という字が入っているので、簡単に言うとお医者さま。今回の話はすごくぴったりだと思った」と企画を持ちかけられたときの心境を振り返る。伊藤さんは「この演目をやりたいと言ったものの、薬師如来の話を聞いて演目を変えた方がいいのではと思ったが受け入れてもらい、しかも、寺で芝居をするのに、暗幕があったり、照明の調整ができたりするようなセットが組めると思っていなかった」と話す。
芝居を観劇した菅野勇作さんは「スポットライトとは違う寺ならではの照明に心を打たれた。落語ではないからこそ、暗幕を使って出たり、はけたりする動き、シーンによって暗幕の表と裏で演じる緩急の付け方が今まで見たことのない芝居で楽しめた」と話していた。