「もう読まないけれど、手放せない本」の交換をするイベント「ポップアップライブラリー」が12月14日・15日、勝亦丸山建築計画アトリエent(北区田端1)で開かれた。
本を通じた交流の創出を目的に千葉大学の学生が研究の一環で企画したこのプロジェクトは、東京・千葉を中心に不定期で開催しており、学外でのイベントは今回で3回目。これまで大学内、古本市、マルシェの出店などで開催してきたが、単独では初開催。
千葉大学大学院融合理工学府の新井育実さん、工学部建築学科の市川ななみさんが今年夏のワークショップで勝亦丸山建築計画の丸山裕貴さんと知り合ったことがきっかけとなり、同社が運営するシェアハウス向かいのアトリエでの開催が実現した。
丸山さんは「今回は、シェアハウスのメンバーも関われるイベントであり、当社としては何か始める人を応援したいという思いがあるため実現に至った。今回は日曜限定営業でアトリエを提供し、営業している『須貝珈琲』だが、今回のイベントに合わせ、土曜営業も依頼し、協力してもらった」と話す。「普段は事務所として使用しているため、なかなか地域の人と声を掛け合うこともなかったが、こうしたイベントや須貝珈琲があることで、シェアハウスや当社の認知度も高まってきている」とも。
当日は、通りすがりの人が足を止め、学生やその場にいる人たちとの会話を楽しむ様子やコーヒーを購入しに来た人がイベントの趣旨を尋ねるなど自然な交流が見られた。市川さんは「イベントをきっかけに、次の場所を提供してくれる話がその場で生まれるなど活動の輪も広がっている」と話す。新井さんは「普段、大人の人と会話する機会はほとんどない。イベントを通していろんな人の話が聞けるのはうれしい」と笑顔を見せた。
夏ごろから学内などで集めた本を元に活動をスタートし、現在、160冊ほど所蔵している。同社の丸山さんは「次回開催も検討したい」と話す。