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北区滝野川の中村印刷所が発明考案功労賞 「おじいちゃんのノート」で

左手に発明功労賞の表彰状、右手に「おじいちゃんのノート」を持つ中村輝雄さん

左手に発明功労賞の表彰状、右手に「おじいちゃんのノート」を持つ中村輝雄さん

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 第44回(2018年度)発明大賞(日本発明振興協会、日刊工業新聞社共催)の発表が3月13日に行われ、北区滝野川の中村印刷所の中村輝雄社長が「水平開きノート」で発明大賞考案功労賞を受賞した。

SNSで話題となった180度開いて書きやすい「水平開きノート」は通称「おじいちゃんノート」と呼ばれている

 中村さんは、2013年に板橋区の産業展に企業ブースを出展した際、来場者から「ノートは真ん中が膨らむから書きにくい」と言われたことをきっかけに、膨らまないノートの開発を始めたという。中村さんは「重要なのは接着剤だった。強度を強めればノートが開きづらい、弱ければ紙が外れてバラバラになる。ちょうどいい強さの接着剤を開発するのが難しかった」と振り返る。

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 2年の歳月をかけてようやく水平開きノートが完成。どこをめくっても180度オープンになり、ページを切り取っても残りのページが剥がれない技術は特許も取得。「ところがわれわれは小さい会社なので取り引き先が見つからなかった。店頭に置くことができたのは2店のみ。売り上げは伸びず、廃業寸前まで追い込まれた。それが変化したのが2016年のお正月。当時いっしょに開発を手掛けていた従業員の孫がツイッターに水平開きノートのことを書いてくれた」と話す。

 その内容が拡散され、中村印刷所のホームページには10万を超えるアクセスがあった。注文が相次ぎ、落ち込んでいた売り上げが回復を見せたという。

 今では大手文房具メーカーと共に新しいノートを製作し、中国や台湾など外国企業からの問い合わせが増えている。「外国で販売するなら、その国できちんと特許を取らないといけない。そのためには申請料が必要」。その資金集めとしてクラウドファンディングも始めた。

 「今回、発明大賞考案功労賞をいただけたのは本当にうれしい。しかしこれは通過点。私の夢は子どもたちに勉強しやすい道具を提供すること。それは国内、国外関係ない」

 今年76歳を迎える中村さんは先ごろユーチューブを始めた。「おじいちゃんのノート」を知らない世界中の子どもたちに知ってもらいたいと話す。

 販売価格は205円~1,134円(手帳は1,512円)、全29種類。アマゾンで販売中。

 ※1段落目の発表日を修正しました。

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