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東十条の老舗喫茶「みかさ」閉店へ 残り1カ月も「いつもと変わらない場所を」

東十条の街と共に半世紀以上の営業を続けた喫茶「みかさ」

東十条の街と共に半世紀以上の営業を続けた喫茶「みかさ」

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 東十条の老舗喫茶「みかさ」(北区東十条2)が3月30日、建物老朽化のため56年間の歴史に幕を閉じる。

現在では珍しいクッション壁を写真に収める人もいるという

 1963(昭和39)年に兄がオープンした同店を、約40年前から手伝うようになったという店主の枝久保恵美子さん。「これまで東十条のお客さまや商店の人たちに本当にお世話になった。この土地で勉強させてもらったという思いが強い。出会いを大事にしてきたから、ここまで続けられたと思っている。私もこんなに長く店が営業できるとは思っていなかった」と振り返る。

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 いつも常連客と何気ない会話をしながらカウンターに立つのが日常の枝久保さん。初めて来店した客にも必ず声を掛けるという。「常連さんが多い時間帯はカウンターだけで盛り上がると、客の立場なら寂しいと思う。ここに来てくれたことに感謝。出会えたことに感謝だからね」と気さくな接客スタイルにファンも多く、閉店を知り「これからどこに行ったらいいの」と問い掛けられるとも。

 ドリンクメニューは、コーヒー(350円)、アイスコーヒー(400円)、ココア(480円)など、軽食メニューは卵サンド、ハムサンド(以上480円)やエビピラフ(600円)など。モーニングサービスではトーストとホットサンドが選べるセットメニュー(550円~)も。

 枝久保さんは「毎日通う常連客がお店に来ないと、心配になる。この店に通うことが生活のリズムになっている人も多いのでは」と話す。「最近はSNSで見たという若いお客さまが関西や九州から来てくれる」とも。店に訪れていた20代女性は「昔ながらの喫茶店が好きで、インターネットで検索して、この店を見つけた。ホッとする雰囲気のこの店が無くなってしまうのは寂しい」と話す。

 「閉店を伝えた客が、今後の事を心配してくれたり、寂しいと言ってくれたり、店を惜しむ声が後を絶たない」と話す枝久保さん。「まだ先のことは何も決まっていないが、閉店までの残り1カ月、笑顔で明るく、前向きに営業していくつもり。最終日まで、いつもと変わらない場所でありたい」とも。

 営業時間は7時~19時(モーニングサービスは7時~12時)。日曜定休。