北区田端のウェブマガジン「TABATIME(タバタイム)」編集長の櫻井寛己さんが立ち上げた「田端本」出版プロジェクトで募った支援が7月30日、目標の1000冊分を上回り、出版が決定した。
同プロジェクトは、「幻冬舎」とクラウドファンディングプラットホームを運営する「CAMPFIRE」の共同出資で構築した、出版プラットホーム「EXODUS(エクソダス)」で展開する。300人以上の応募者のうち、企画アイデアを選考する1次審査と、著者が5000字以上の序章を執筆して提出したものを選考する2次審査を経て、最終的に10人に絞られたプロジェクトの一つ。All-or-Nothing方式で事前予約1000冊分以上の支援で出版が実現するという企画。
この日櫻井さんが経営するタバタバーには、目標達成のお祝いを伝えるための客が入れ替わり立ち替わり訪れ、にぎわいを見せた。櫻井さんは「知り合いだけでなくタバタバーのお客さまのつながりで支援してくれた人やリピートで支援してくれた人など、みんなに支えられ達成することができた。うれしい気持ちでいっぱい」と笑顔を見せた。
支援金は1口2,500円から受け付け、全てのリターン品に、電子書籍、紙の書籍、支援者の人のコメントが書籍に掲載される権利を用意。地元企業「あみ印食品工業」の商品「炒飯(チャーハン)の素(もと)」のセット、タバタバーの人気メニュー「レモンサワー」セットなども用意しプロジェクトに臨んだ。7月1日からの30日間で1100冊分の支援が集まった。
タイトルを「山手線で一番無名な田端から教えてもらったこと~地域に関わる人を増やす~(仮題)」とする書籍には「田端の認知度向上と街に関わる人を増やしていきたいという思いを込めている」という櫻井さん。「街に関わる人が少しずつ意識をすることで、徐々に街が盛り上がる方向に変わっていけばいいと思う。『田端本』がそのきっかけになれば」とも。
今後、出版社との打ち合わせ、執筆、編集を重ね12月ごろの完成を目指す。来年1月以降に支援者に書籍が届くよう準備を始めるという。