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北区浮間の神社で水難祈願行事「マンゴリ」 伝統を後世に

過去開催の様子

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 浮間氷川神社(北区浮間2)で7月20日、浮間地区での水難防止を祈願する夏の伝統行事「マンゴリ(万垢離)」が開催される。

過去開催の様子

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 神仏に祈る時に水を浴びて心身を清めることを垢離(こり)といい、回数を多く行うことから万回の「マン」を付けて「マンゴリ」。ほかにも、よろず(万)のアカ(垢)や汚れをおとす(離)との意味から「マンゴリ」と呼ぶなどの説がある。

 浮間地区は、荒川放水路が完成した1930(昭和5)年以前は、荒川が大きく蛇行した場所に位置しており、荒川改修後も荒川放水路と新河岸川に囲まれた地形をしていたため、水害や子どもたちの水難事故の不安が多かったという。

 「マンゴリ(万垢離)」は、水による被害や事故にあわないよう、禊(みそ)ぎ払いの意味を込め、住民総出で行われていた江戸時代から続く地域の伝統行事。昭和初期まで続いていたものの、戦後荒川の治水が進んで水害が減少、川の汚染などで泳ぐこともなくなったため、次第に行われなくなっていたという。マンゴリ経験者が減少することに危機を感じた地元住民の有志らが、2000(平成12)年に当時の資料や聞き取りなどを実施し、復活した。

 ボンテンと呼ばれる、丸太の先に麦わらで作った束を刺し、麦わらの束に約200本のヘイシン(=赤・青・白色の紙を細い木に付け垂らしたもの)を差したものを氷川神社で、おはらいをした後、川の中に立てられ水をかけ清める(お清めは、都立浮間公園内のじゃぶじゃぶ池で行われる)。

 浮間氷川神社総代の黒田清嗣(きよつぐ)さんは「地域の伝統行事であるマンゴリで、皆さんが事故にあうことなく、安全にじゃぶじゃぶ池で楽しめるよう祈念したい」と話す。

 開催時間は9時~。

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