田端文士村記念館(北区田端6)で現在、企画展「彼女の選択 田端に暮らした女性たち」が開催されている。
明治末期から昭和にかけて、田端には多くの文士・芸術家が集まっていた。同展は田端に暮らした女性たちにスポットを当てた展覧会で、同館初の試み。小説家・佐多稲子や社会運動家・平塚らいてう、妻として芥川龍之介の創作を支えた芥川文など、田端ゆかりの女性たちの生き方とその暮らしぶりを紹介する。
同館の白石顕子さんは「展覧会では女性たちの言葉を多めに紹介している。激動の時代を生きた彼女らの言葉は、現代においても心に残る強さや共感があるのでは」と話す。
今回初公開となるのは、芥川龍之介が妻・文へ贈った魚の形をした翡翠(ひすい)の帯留め。文の口述をまとめた書籍「追想 芥川龍之介」に記載がある品で、普段は贈り物をしなかった芥川が生涯唯一の中国旅行の土産物として文にプレゼントしたもの。芥川夫妻の思い出の一品となる。
日本画家 池田蕉園・輝方夫妻の双幅は3年ぶりの公開となる。2人1組で行う民俗芸能「萬歳」を描いた一対の画幅。田端の画室で肩を並べて制作し、「文展のおしどり画家」とも呼ばれた仲むつまじい夫婦の作品を展示。
婦人参政権運動などに尽力した平塚らいてうは、田端の自宅敷地内に「新婦人協会」の事務所を構えていた。平塚が日本初の女性文芸雑誌「青鞜」に、創刊の辞として寄せた言葉「元始、女性ハ太陽であつた」を記した色紙を展示する。
「春に開催する女性の展覧会なので、華やかな展示になっている。初公開資料も含め、あまり展示しない資料も公開している。この機会にぜひ来館を」と呼びかける白石さん。
開館時間は10時~17時(最終入館は16時30分)。月曜と祝日の翌日休館。入館無料。5月24日まで。