
北区が8月24日、ふるさと納税の体験型返礼品として、上野統括センター(北区東田端2)で「親子限定 電気機関車見学会+シミュレーター体験プラン」を行った。
同プランに申し込んだ寄付者2組4人が参加し、電気機関車「EF81形」の運転室内で、JR東日本の現役乗務員によるハンドル操作の見学や機関車との写真撮影に加え、乗務員が実際に訓練で使用するシミュレーターを使って、尾久・赤羽間を含む主要路線の希望区間の運転を体験した。
参加した千葉県在住の小学6年の児童は「機関車の中に入って、汽笛も鳴らせた貴重な機会だった。写真もたくさん撮ることができ、JRの職員さんが丁寧に詳しく教えてくれて楽しかった」、目黒区在住の中学2年の生徒は「日本でも数少ない国鉄型機関車に魅力を感じて参加した。また、ぜひ参加したい」と、それぞれ話していた。
北区ではふるさと納税による他自治体への住民税流出額が年々増え続け、2023年度には20億円を超え、2024年度は24億円、2025年度は27億円に拡大。一方、北区へのふるさと納税寄付金額は1,200万円程度となっていたが、2023年度からJR東日本協力の下、区内の鉄道資源を活用した返礼品の提供などを始めたことで、2024年度は2,927万円に増額した。
北区税務課の吉田彬課長は「流出した住民税は本来区民への行政サービスに使う予定の貴重な財源であり、このままでは行政サービスの低下につながりかねない。区内にはJRの駅数が23区で最も多い11駅あるほか、車両基地などの鉄道スポットであることから『鉄道のまち北区』とも呼ばれ、鉄道愛好者に親しまれた街であることに着目して2023年度に鉄道資源を使った体験型返礼品を開発した。反響があったことから、ディーゼル機関車や新幹線の車体洗浄通過体験ができるツアーなど、バリエーションを増やしている。今後も、ふるさと納税制度の抜本的な見直しを国に求めつつ、JR東日本を含めた地域の企業と連携した返礼品の開発に取り組みたい」と意気込みを見せる。