北区滝野川の銭湯「稲荷湯」(北区滝野川6)の隣にある稲荷湯長屋で5月25日、「わたしのせんとうとまちvol.1滝野川稲荷湯」が開催された。
銭湯を中心とした地域コミュニティーや、地域に長く住んでいる人々の記憶や歴史をまとめ、まちづくりにつなげていく目的で開いた同イベント。一般社団法人「せんとうとまち」が主催した。
当日は、参加者が当時の写真や地図を持ち寄って稲荷湯や地域のエピソードを語り合った。滝野川はかつて田畑が多かったが、明治の終わりから関東大震災を経て現在の街並みに変わっていったという。
稲荷湯は1913(大正2)年創業。1930(昭和5)年に現在の建物が建てられた。昭和初期は番台の声が街に響き、にぎわいを見せていたという。銭湯に来た人の背中を流したり髪の毛を洗ったりする三助、幼児連れが来ると近所の人たちが面倒を見ていたことなど当時の様子も披露された。
「せんとうとまち」代表理事の栗生はるかさんは「北区は比較的銭湯が残っている地域。銭湯の文化的、歴史的価値が残っていることは豊かなこと。今後も北区内の銭湯を回り、記憶集めのイベントを開いていく予定。銭湯に集う人たちの物語をさまざまな世代に伝えていきたい」と話す。