第29回「北区伝統工芸展」のウェブ公開から1カ月がたった。
同展は東京都北区で活動する職人の技を披露し、その素晴らしさを身近に感じてもらおうと、毎年秋に伝統工芸保存会と共同で開催。昨年の28回目が新型コロナウイルスの影響で中止になったことから、29回目は状況を考慮し、初の試みとして12月15日、ウェブ開催に踏み切った。
北区公式ホームページ内に特設サイトを開設し、ウェブ上で公開。浮世絵木版画、江戸べっ甲、江戸文字 凧絵、銀細工、とんぼ玉、陶芸など、伝統の技を継承する同会会員23人の熟練の手さばきや作品42点を、写真や動画で紹介する。
北区産業振興課商工係の佐藤さんは「出展する職人の中には、普段からホームページやSNSを利用している方もいれば、インターネットに慣れていない方もいた。ウェブに関しての疑問や、画面越しで自分たちの技が伝わるのかといった不安を一つずつ解消しながらイメージをすり合わせて準備を進めた」と振り返る。
開催から約1カ月がたち、出展している職人の工房への見学希望の問い合わせが増えたり、「見応えがあった」と感想をもらえたりする機会が増えたという。
現在、公開期限は設けておらず、今後も北区公式ホームページでいつでも閲覧できるようにするという。「次回は対面開催ができればと思っている。ウェブページを残すことで、次回はウェブで見た後に、実際に対面でも見ることができ楽しみも増やせるのでは」と佐藤さんは次回に向けた意欲を語った。