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明壽庵が「王子の狐あん食パン」 「狐の行列」再開願い商品化

明壽庵の「王子の狐あん食パン」

明壽庵の「王子の狐あん食パン」

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 昨年から2年連続中止となった年の暮れの恒例行事「王子 狐(きつね)の行列」の再開と継続への願いを込めて、パン店「明壽庵(めいじゅあん)」(北区神谷1)が12月3日、「王子の狐あん食パン」を期間限定で発売した。

「王子の狐あん食パン」の側面に入った明壽庵の焼き印

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 「王子 狐の行列」は、その昔、大みそかの夜に関東各地から集まってきた狐が大きなエノキの下で装束を整え、王子稲荷神社にお参りをしたという言い伝えにちなんだ行事。かつてエノキがあった場所に立つ装束稲荷神社から王子稲荷神社までの道のりを、キツネに扮(ふん)した人たちが大みそかから元日にかけて練り歩くもの。1993(平成5)年から2019年まで毎年欠かさず行われ、地元や国内はもとより、海外からの旅行者たちの間でも徐々にその人気が広まっていたが、2020年から新型コロナウイルス感染拡大防止のために中止となっている。

 「先人たちが作り上げてきた伝統を絶やしてはいけない。何かできることはないだろうか。そんな思いから新商品の開発と発売を決めた」と同店代表の中山公人さんは話す。

 「王子の狐あん食パン」は、同店の「高級あん食パン」をベースに、甘辛く煮込んだ揚げとアクセントにユズを巻き込んだもの。パンのトッピングには白ごまを使っている。パンの側面には、同店のロゴである、食パンをくわえた狐の焼き印を入れる。このロゴは、狐の行列の伝承を題材に安藤広重が描いた浮世絵「王子装束ゑの木大晦日の狐火」のイメージを生かしたもの。

 「石鍋商店の久寿餅の原料でもある発酵小麦澱粉を使ったパンのしっとりもちもちとした食感と、王子製庵所のこしあんの上品な甘さと、お揚げのみたらし風の味、そこに爽やかなユズの香りが掛け合わさって調和の取れた新たなおいしさのあん食パンになっている。そのままはもちろん、トーストするとさらにおいしく召し上がっていただける。バタートースト、バタートーストに七味唐辛子をトッピング、トーストしてマスカルポーネと黒こしょうをトッピングするなど、アレンジレシピも楽しめる。トーストを4分の一程度にカットして正月のおせち料理に添えていただくのもいいかもしれない。年の暮れの風物詩として、狐の行列と共に楽しんでいただける存在になれば」と中山さんは言う。

 同店では12月31日まで、「王子の狐あん食パン」購入客に白無地のキツネの面を進呈する「#狐火を止めるなキャンペーン」を実施している。併せて、同店の公式インスタグラムに「狐のお面と王子の狐あん食パン」の写真を投稿して応募する「狐のお面コンテスト」も実施。入賞者には同店のパンなどが当たる予定。応募は12月31日の23時59分まで。

 「狐のお面に好みの彩色をして世界に1つだけの狐のお面を作り、大みそかに思い思いの狐の行列をして王子稲荷神社にお参りするもよし、自宅で狐の行列気分を味わうもよし、自由に楽しんでほしい」と中山さんは呼び掛ける。

 価格は、1本=1,500円、ハーフカット=800円。販売は12月31日まで。

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