JR赤羽駅近くにある「鈴木畳店」(北区赤羽西)5代目の鈴木啓介さんが畳表を使ったオリジナル「畳枕」を販売し始めて間もなく1年がたつ。
同店は1914(大正3)年に創業した老舗畳店で、4代目の父・健治さん、母・幸子さん、弟・章夫さんと啓介さんの家族4人で畳を製造・販売している。
畳枕は昨年7月に販売を始めた商品で、啓介さんが細部にこだわって開発した枕。枕の表面には国産最高級畳表を使い、枕の中身は表面同様に国産イ草のチップが詰まっている。枕の脇についているひもを結ぶ位置によって高さを調節できる。
「畳枕に使っているイ草は熊本県八代市の特別栽培農産物の指定を受けたイ草。自分で産地へ赴き、実際に農作業を手伝ったりして、その強度や香り、経年変化が楽しめるのはこのイ草だと自信を持っている。このようなイ草を栽培しているのは全国でも4軒の農家のみと少なくなっている。そのイ草の良さを多くの人に知ってもらえれば」と啓介さんは言う。
昨今の住宅事情で畳の部屋が無い集合住宅なども増えてきているため、身近なものから畳の良さを知ってほしいと畳枕を開発した。
中身のチップは母の幸子さんがはさみで切っており、手作業で作るため量産できないが、着実に利用者が増えているという。
「これから暑く寝苦しい季節となるが、畳枕はサラサラとした肌触りなので、これからの季節にもマッチする商品。天然のイ草の香りはリラックス効果があるので、これからも多くの人に利用してほしい」と利用を呼び掛ける。
サイズと価格は、Sサイズ=4,800円、Lサイズ=6,800円。営業時間は8時~19時。日曜・祝日定休。