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明治期の北区に暮らした青年の日常が分かる日記 翻刻版第2集刊行

高木助一郎日記調査報告書2(第四号~第九号)

高木助一郎日記調査報告書2(第四号~第九号)

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 北区にゆかりの深い旧家に生まれた明治期の青年の日記「高木助一郎日記調査報告書2」が3月、刊行された。

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 1892(明治25)年に現・北区中十条1丁目で生まれた高木助一郎は1908(明治41)年8月~1947(昭和22)年8月、ほぼ毎日日記を書き残した。全49冊にまとめられた日記は2010(平成22)年に北区の指定有形文化財になった。

今回刊行された「高木助一郎日記調査報告書2」は、日記の4冊目~9冊目で、1910(明治43)年1月~1912(明治45・大正元)年12月の3年分について、原本の筆文字を読みやすい活字に置き換えた翻刻版となる。日記の原本1冊目~3冊目を翻刻した報告書の1は2011(平成23)年に刊行されている。

報告書2に収められているのは、高木助一郎の数えで17歳から20代序盤の日々。十条駅の開設、王子駅大橋の完成、かつての飛鳥山の花見や冨士神社祭礼「お冨士さん」の様子、1910(明治43)年の荒川の水害、役所勤めの傍ら従事した農作業中に体感した田園風景など、明治の終わりから大正の初めにかけて北区に暮らしていた青年の日常が、本人の手による挿絵などと共に抒情的な表現でつづられている。

発行は東京都北区教育委員会、編集は同委員会北区飛鳥山博物館事業係。史料の翻刻は北区古文書調査会が行い、研究報告執筆と全体の校正・編集作業は北区文化財専門員の田中葉子さんが行った。「盛りだくさんの内容で、当時の北区の街々や人々の暮らしぶり、年中行事などの様子がよく分かる。ここまでまとまった形で明治期の市民の日記が残っているケースも珍しく、民俗研究に携わる方々からも高い評価を頂いている。他にもさまざまな研究に役立つはずだし、読んで楽しい一冊にもなっている。この機会に、多くの人に手に取ってもらえたら」と田中さんは思いを語る。

報告書2は北区飛鳥山博物館と区政資料室(北区役所第1庁舎1階)で販売している。価格は700円。

「高木助一郎日記」の調査報告書の刊行は今後も継続する予定。日記の原本の複写版は北区立中央図書館の「北区の部屋」で閲覧できる。日記の全体を概観したい場合は、主な記述の抜粋を含む「一市井人が日誌で綴(つづ)った近代日本自分史」(高木助一郎著・本間健彦編・街から舎)も役立つ。

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