北区滝野川にある瀧野川八幡神社(北区滝野川5)で新デザインの御朱印が登場した。
同神社は、鎌倉時代前期ごろに創建され800年以上の歴史を持つ。敷地の裏手には縄文時代後期の住居址が発見されており、歴史的価値も高い神社としても知られている。
同神社の御朱印は、V字が入った御朱印や季節ごとのデザインの御朱印などがあったが、さらに、藤色のチョウの印が入ったデザインの御朱印を用意した。同神社のある滝野川(旧滝野川村)は、人気漫画「鬼滅の刃」のキャラクター「胡蝶しのぶ」の出身地という設定があり、昔から地域の産土(地域を守る神様)神社であることから作品の愛好家たちから聖地として知られていた。その中で、季節の御朱印として藤の花とチョウをデザインした御朱印を用意したところ愛好家たちの目に留まり口コミで広がった結果、藤とチョウの要望が増えたことから、今回、藤色のチョウのデザインが実現した。
近隣の神社と連携して、北区ゆかりの偉人、渋沢栄一を主人公にした大河ドラマ「青天を衝(つ)け」の放映開始を記念して北区観光協会が作ったオリジナルキャラクター「しぶさわくん」のスタンプが入った限定デザインの押印も用意した。
同社務所は終戦直前まで、東京種子同業組合の会合場所として利用され、滝野川ゴボウやニンジン、練馬大根の種子の価格を決める役目も担っていた。そのため、組合設立時に渋沢が書いた掛け軸が残っており、ゆかりの深い地でもある。同神社では現在、掛け軸のお守りも頒布している。
神主の藤井さんは「『青天が衝け』『鬼滅の刃』を通じて北区の神社に興味を持ってもらい、足を運ぶ方が増えてくれれば」と期待を込める。