北村西望(せいぼう)・治禧(はるよし)父子ゆかりの「彫刻アトリエ館(仮称)」(北区西ヶ原1)で9月25日から、公開見学会が開催される。主催は北区文化振興財団、共催は北区。
同施設は長崎の「平和祈念像」などの作品で知られる彫刻家・北村西望が1922(大正11)年に曠原社(こうげんしゃ)の彫刻研究所を開設した場所で、1953(昭和28)年に井の頭に転居するまで制作を続け、その後は長男で彫刻家の北村治禧の創作活動の場となった。
1983(昭和58)年に現在のアトリエに建て替えられ、2001(平成13)年8月に治禧逝去後、2002(平成14)年3月に遺族から北村父子の多数の彫刻作品とともに北区に寄付された。2004(平成16)年から一般に公開され、これまで彫刻教室や見学会などが開かれている。
北区文化振興財団の西村さんは「昨年の見学会では親子で見学する方もいた。見学した方々からは、『このような施設があることを知らなかった』『見られて良かった』という声を多く頂いた。今回も多くの方にご覧いただければ」と呼びかける。
同財団の落合さんによれば、「西望先生は長崎の平和記念像を北区のこのアトリエで構想したが、大きな作品だったためここでは作れなかった。そこで、西望先生が東京都に相談した結果、井の頭のアトリエへ移転し、そこで制作をする運びになった」という。
落合さんは「施設内の長屋門は大変美しく、天井が高いアトリエも素晴らしい。ご遺族から寄贈された彫刻作品が280点ある。今回はその中から、北区在住の彫刻家の川崎普照(ひろてる)先生に選定していただき、大小取り混ぜて数点の作品を展示する。1年に1週間だけの貴重な機会なので、早めに予約していただければ」と呼びかける。
各日10時~と13時~の回があり、見学時間は1時間程度。参加無料。定員は各回8人。事前申込制の申込順。申し込みと問い合わせは北区文化振興財団まで電話かメールで受け付ける。10月2日まで(10月1日を除く)。