王子で製麺を手掛ける「江戸玉川屋(玉川食品)」(北区豊島7)が赤羽中央病院(志茂1)でキッチンカーでの弁当の販売を始める。
「あつぎ豚使用鯛だしそばめし(700円)」と「北海道日高産昆布使用鯛のだしスープ(100円)」
同社は東京23区最後の乾麺メーカーとして、1935(昭和10)年の創業以来、地域に根ざした製麺工場を展開している。同院が10月1日に移転し、新たにキッチンカースペースを設けたことをきっかけにキッチンカーでの弁当販売を同社初の試みとして開始。キッチンカーは日替わりで店が変わり、同社は木曜日を担当する。
キッチンカーでは、「あつぎ豚使用鯛(たい)だしそばめし」(700円)と「北海道日高産昆布使用鯛のだしスープ(100円)」のほか、乾麺も販売する。
そばめしは、麺と冷ご飯を混ぜた兵庫発祥のご当地料理。タイだしで炊いたご飯と同社が製造した焼きそば用の2度蒸し麺を混ぜたそばめしの上に、バーナーで炙(あぶ)ったあつぎ豚と高菜、菜の花、モヤシとニンジンのナムル、紅ショウガ、味付け卵を載せる。
常務の関根清元さんは「うちは麺屋なので、本当は生麺を使ったメニューを提供したかったが、キッチンカーの仕様でたくさん水を使うものは難しく、考えたのが『そばめし』だった。初の試みで試行錯誤の連続だが、病院関係の人だけでなく、近所の人が買いにきてくれるなどリピーターも増えてきてうれしい」と話す。
食材は同社の製造時に出るくず麺(乾燥時に曲がって床に落ちてしまう麺)を有効に活用する。そばめしの豚肉は、厚木のうすいファームと取り組むくず麺を餌に育った「あつぎ豚」を使い、スープのネギは、くず麺を肥料に提供している東京都立瑞穂農芸高校の生徒が作ったネギを使っている。
関根さんは「今後は設備の充実したキッチンカーを用意して、生麺の提供や瑞穂農芸高校の生徒とのコラボメニューや販売会なども実現させていきたい」と意気込みを見せる。
営業時間は木曜の11時~14時(無くなり次第終了)。