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北区神谷に「あん食パン」専門店 区内の老舗3店がコラボして商品開発

「明壽庵」の店頭

「明壽庵」の店頭

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 「あん食パン」を扱う「明壽庵(めいじゅあん)」(北区神谷1)が5月24日、北区神谷にグランドオープンした。

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 同店の出店と「あん食パン」作りを始めたのは明治堂(北区王子1)の中山公人さん。緊急事態宣言が解除された昨年の5月以降も思うように客足が戻らなかったことを受け、暗中模索を続けた中山さんは、かねてから取り組もうとしていた高級食パンの製造販売を、北区内の食の老舗によるコラボで実現しようと思い立った。

 中山さんの呼び掛けで、明治堂のパン作りの技術と、石鍋商店(岸町1)の久寿餅の原料でもある発酵小麦でんぷんと、王子製餡(あん)所(王子本町3)の餡を掛け合わせ、明壽堂のあん食パンが生まれた。店名の「明」は「明」治堂から、「壽」は石鍋商店の久「寿」餅から、「庵」は王子製「餡」所から、それぞれ取った。店のロゴには食パンをくわえた3匹のキツネを描く。これは安藤広重の浮世絵「王子装束ゑの木大晦日(みそか)の狐(きつね)火」からの引用で、明壽庵の立ち上げに関わった歴史ある3店の象徴でもある。

 あん食パンの製造には水を一切使わず、北海道産の高脂肪乳と国産の小麦を使っている。試作品が商品として販売できるレベルになったのは今年3月。添加物を使わずに大量の餡を巻き込んだあん食パンを作ろうとすると、なかなか膨らまずに空洞ができやすいという難点があった。「ここでしか買えないパンを作りたかった。こね方、材料の配分、発酵のさせ方、焼き方など、さまざまな工夫をした」と、中山さんは約1年の道のりを振り返る。そのまま食べるとしっとりもちもちとした食感だが、トーストするとサクッとした独特の歯切れの良さが生まれるのが特徴で、5月10日のプレオープン以降も「パンの品質は大きく進化し続けている」という。

 「そのまま食べてもおいしいし、バタートーストでもぜひ。トーストしてバニラアイスをのせて食べるのもお勧め。老舗3店のものづくりに懸ける思いも含めて味わってもらえたら」

 価格は1本1,300円(ハーフカット700円)。抹茶を生地に練り込んだもの(1本1,400円・ハーフカット750円)、プレーンの食パン(同800円・同450円)や、旬の果実を使ったフルーツあんサンド(500円)などもある。

 営業時間は10時~19時(売り切れ次第閉店)。水曜・木曜定休

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