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渋沢栄一をめぐる研究書出版とデジタルアーカイブの公開相次ぐ

デジタルアーカイブ「渋沢栄一ダイアリー」のトップ画面

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渋沢栄一が関わった社会公共事業に関する研究書の出版と、渋沢栄一の日記と業務予定表をまとめて見ることができるデジタルアーカイブの公開が4月に相次いだ。

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出版されたのは「社会を支える『民』の育成と渋沢栄一」(ミネルヴァ書房)。同書は約600に及ぶ公益慈善事業を育成・支援した渋沢栄一の「フィランソロピー」活動を考察する全8巻のシリーズのうちの1巻。第6巻目に当たる同書では、渋沢が支援した「人材育成」の面に着目し、次世代経営者養成のための商業教育・女子教育・社会教育、育英事業、教育観の変遷などを取り上げつつ、渋沢が教育を通じて未来に託した希望について考察している。渋沢栄一記念財団広報担当の関根伸幸さんは「読者の皆さまにとって渋沢について知識を深めるだけでなく、何かを考えるきっかけや新たな視点を得るヒントになればとの期待を込めて本シリーズの刊行に取り組んでいる。この機会に手に取っていただけたら」と思いを語る。

一般公開されたデジタルアーカイブ「渋沢栄一ダイアリー」では、「渋沢栄一伝記資料」別巻第1・第2に収録されている渋沢栄一の「日記」と、業務予定表である「集会日時通知表」をまとめて見ることができる。渋沢が日頃どのようなスケジュールで日々を過ごしたのか、カレンダー形式で時刻を追って行動を見たり、同時代を生きた人々とのつながりや訪れた各地を地図で見たりすることもできる。同アーカイブでは、テキストデータも全て公開しており活用可能。

「今回のデジタルアーカイブの公開は、若手の人文情報学者やアーキビストが中心となって行った国立歴史民俗博物館『総合資料学の創成』の共同研究の成果。日本内外の歴史研究などにも活用できるよう、人文情報学の手法を用いて情報を公開している」とアーカイブの開発を手掛けた研究者は語る。

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